イジワルなキミの隣で
キョロキョロして辺りを見るけど、暗いのであまりよく見えなかった。
ひどいよー、置いて帰るなんて。
ドアはオートロックだから、鍵をかける必要はないけど……。
置いて帰らなくてもー。
なんて思いながら裏口へ向かう。
重い鉄のドアを開いて外に出ると、5月のひんやりした空気が肌をかすめた。
今日はブレザーを着て来て良かった。
小さく身震いした後、駅の方に向かって歩き出した。
「着替えに何分かかってんだよ?」