イジワルなキミの隣で


数日後────────



それは本当に突然に



なんの前触れもなくやって来た。




どうして……?


なんで光流先輩と智沙先輩がここに?


なんて思っているヒマはなかった。



「萌絵ちゃん、これ4番テーブルにお願い」



「あ……は、はいっ」



呆然と立ち尽くす私に、せっせと動いてる華さんが声をかけて来たから。



夕方のこの時間、このお店は本当に忙しい。



ドギマギする胸を押さえようと思ったけど、光流先輩の姿を見付けてしまった今そうはいかない。



遠目からでも光流先輩だとすぐにわかった。



光流先輩の姿は、例え大勢に紛れててもすぐに見付けられる自信がある。



光流先輩は智沙先輩と楽しそうに笑ってて────



そこに佐伯先輩が接客をしてる。



3人の姿は本当に自然で。



私の入り込む隙なんて一切ない。


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