【完】お嬢様と執事
「マコトは何も変わらないわね」



何年ぶりだろう…



『マコト』と呼ばれるのも



そして、俺に向けられる優しい笑みも、何年ぶりだろうか。



大人になっていくにつれて、笑わなくなった沙羅様があんなにも優しい笑みを見せるなんて…



「沙羅様は、少し変わりましたね。」



多分、お嬢様という自覚が芽生えたのだろう。



それが、何よりも沙羅様を変えた。



「マコトに話したことがあるの。待ってて…。」



沙羅様はいきなりそう言って、自分のクローゼットに足を進めて、数少ない写真を手に取り俺に手渡した。



それは、沙羅様と俺の幼い頃の写真だった。



目にすると、あまりにも懐かしくて、自然と昔の思い出が思い出さされた。


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