シェアハウスのミュージシャン



byひろ



「ちょと!」


そう言って怒る沙織。

こいつは、超人だ。ご飯後のジェットコースターも平気。それから、まだ乗り足りてない…でも、せっかく来たし、笑顔が見たいからな。


俺は、哲や賢介にも言われながら、沙織と乗りに行こうと思ったら、



「沙織。」

そう言ったのは、俺でも、哲でも、賢介でも無かった。


声の聞こえた方へ見てみると、


沙織「光…栄」

光栄「久しぶりだな。ひろも。」

「あぁ。久しぶり。」


出会ったのは、沙織の中学時代の元彼。
他校のバスケ部。志太光栄。
光栄とは、選抜で一緒になった。


顔は、イケメンで、身長も高い。

沙織「久しぶりだね。」

沙織と光栄は、お互いの道を進むため中学を卒業後に別れたと聞いた。

お互い…まだ好きなんじゃねーの。

俺は不意に思った事に、胸がチクリといたんだ。


光栄「あれ?2人付き合ってんのか?」

沙織「ううん。私らいまこのメンバーでバンドやっててさ。だから、今日は遊びに来たんだ。」

光栄「そっか。」

沙織「光栄は?」

光栄「俺は、男友達と。」

沙織「さみしいね。」

光栄「うっせ。」

沙織「友達は?」

光栄「はぐれた。暇だからブラブラしてたら、沙織達と会ったってわけ。」

沙織「そーなんだ。じゃさ。一緒に乗りに行かない?」

光栄「おっ!絶叫か?」

沙織「うん!!」

光栄「沙織は、遊園地来たら、絶叫系しか乗らなかったからなー。」

沙織「光栄も好きでしょ。」

光栄「沙織のせいで好きになったよ。」

沙織「お陰ね。」

光栄「はいはい。ひろは?」


2人の会話をボーッと聞いてたら、いきなり俺に聞かれた。


「いや。俺はこいつらみとくわ。」

沙織「大丈夫⁇」

「あぁ。まぁ、電話したら繋がるから。」

沙織「分かった。じゃ行ってくるね。」

「あぁ。」





この時、もし一緒に行ってたら、良かったのか?
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