腕枕で朝寝坊
その1*ロマンチックにイン・ザ・ベッド



*朝寝坊その1*

ロマンチックにイン・ザ・ベッド
~美織編~

※ふたりが初めて肌を重ねる5ヶ月前のおはなし





紗和己さんと初めてキスをした。

キスをした。
と言うことは…



「…え、エステ行こうかな」


自宅の浴室で自分の身体を鏡に映して、私は焦り呟く。


だって。だって!

大人の恋人同士がキスまで進んだら、次のステップはあれしかないでしょ!?

自称『待つのが楽しい肉食系』の紗和己さんのコトだから、すぐには進まないだろうけど。

でも、その日を迎える準備をするのに遅いことは無いと思う!


セクシーともグラマーとも言い難い自分の身体を鏡越しにマジマジ眺めた。


「腹筋…腹筋しよう。あとヒップアップも。それから腿も太いなあ…」


なぜに私の身体はメリハリに欠けるのか。今に始まった事じゃないけど。


「紗和己さんはどんなのが好きなんだろう。もっとボンキュッボンな方がいいのかなあ」


呟いてふと頭によぎったのは、玉城さんのコト。

おそらく、紗和己さんがほぼ毎日目にするであろう彼女は抜群のプロポーションの持ち主だ。

細身のパンツに包まれたキュッと上がったヒップに細い足。くびれたウエスト。

バストは多分…私とイイ勝負だと思うけど。多分。


とにかく。紗和己さんは毎日あの美尻と一緒に仕事してるコトを考えると、彼の女性のヒップに対するハードルは上がってると考えられるの。


あの美尻に目が慣れてしまって、いざ私の柔らかラインのヒップやフニフニの太ももを目にした時、ガッカリさせてしまう可能性があると思うの。


そんなの、考えただけで恐ろしい!!


「やっぱりシェイプアップしよう。スポーツクラブも通おうかな」


来る日に備えて、私は険しく厳しい自分磨きをする事を決意した。


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