腕枕で朝寝坊



「お茶、冷めちゃったんで淹れ直して来ますね」



一足早く煩悩を消し去ろうと静かに格闘していた私に、紗和己さんがそう声を掛けて立ち上がった。


キッチンへ去る後ろ姿を見て、なんだか更にちょっと寂しくなってみたり。



戻ってきたら手でも繋ごうかな。それぐらいなら隣に座りながらでも出来るし。



考えながらテーブルの上のミカンに手を伸ばしメリメリと皮を剥く。

白い筋を細かく取っていると紗和己さんが淹れたてのお茶を持って戻ってきた。



「ありがとう紗和己さん」


振り向いて言うと、紗和己さんは微笑んで頷きながらふたつの湯呑みをコト、コトと私の前に置いた。


「?」


不思議に思って見ていると、紗和己さんはさっきまで座っていた場所には戻らず、なんと、私を後ろから抱きすくめ重なるようにして炬燵に脚を入れてきた。



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