腕枕で朝寝坊
「よいしょっと」
なんて軽々しい掛け声をかけながら、強引に抱き寄せるようにして、ちょっと窮屈そうに紗和己さんは長い脚で私を挟み込んで座った。
一気にぎゅうぎゅうになった密着度に私の体温が上がる。顔の赤さも上がる。
なんの前触れもなく。涼しい顔で。当たり前のように。いきなりぎゅうぎゅう。
紗和己さん、私の心臓止める気?
心臓があり得ない早さでリズムを刻んでまともに反応も出来ないでいると、紗和己さんは私のおなかに手をまわして
「こっちの方が温かいと思いませんか?」
なんて言いながら更にぎゅうっと強く抱きしめた。
「この炬燵だとあまり近付けないなあって思って。僕の作戦ミスでした。来年はふたり並んでくっつけるような幅広の炬燵を買います」
わあ。紗和己さんも煩悩でいっぱいだった。
私は赤い顔のままクスクスと笑って、広い胸板に背中を預けた。
「私は来年もこれでいいですよ。紗和己さんがこうして抱きかかえてくれれば」
「ただこの姿勢だと僕、脚が途中までしか入らないんですよね。来年はもうちょっと上手いこと考えないと」
なんてコト言いながらも、紗和己さんの顔だって赤いんだから。