腕枕で朝寝坊
代わりに聞こえてきたのは、スースーと云う小さな寝息。
首を伸ばして振り返って見ると
「……寝てる……?」
長い睫毛を伏せて、紗和己さんは夢の世界に堕ちていた。
「……………………」
私、しばし、呆然。
呆然としながら、彼の綺麗な寝顔を見つめる。
「………お疲れさま……」
窮屈な体勢からそっと手を伸ばし、もたれ掛かっている彼の髪をポフポフと撫でた。
そうだよね。疲れてる筈だよね。ここ1ヶ月ほとんど休みが無かったんだから。
なのに、僅かな休息の時間を私と過ごしてくれてありがとう。
するり、するりと指の先で素直な髪を梳いた。
無防備な寝顔は寝息のリズムに合わせて睫毛や唇が少し動くだけで、ただ穏やかに目を閉じていた。
そんな姿を間近で見られる幸せと、あどけなく寝てもなお整っている彼の顔に見惚れる甘やかさと。
それでも全身で彼の熱を感じてる治まりきらないトキメキと。
色々なモノを詰め込んで顔がユルんでしまう私の耳に、ようやく除夜の鐘が聞こえてきた。