甘いカンケイ
「寒くない?暖まるまでこれ掛けてていいから」
少し肌寒い車内を気にしてあたしの制服のスカートの上にジャケットを脱いでかけてくれる浅井さんは本当に優しい。
「あ…ありがとうございます。」
ジャケットからふわりと香る爽やかな香水の匂いにドキリとする。
「じゃあ、ナビよろしくね」
そう言って車を発進させる浅井さんを横目で見てみる。
腕捲りをしてハンドルを握ると見える手首の血管、いつも穏やかな雰囲気の浅井さんが真剣な表情で運転をしているそのギャップに"大人の男"を感じてしまう。
「そんなに美和ちゃんに見られるとさすがに照れるなぁ」
「えっ…あ、いや、その……。」
ひそかに見てたはずが浅井さんにバレてたことに焦る。