甘いカンケイ



「さあさあ、どうぞ?」


助手席のドアを開いてエスコートしてくれる、まさに紳士な振る舞いに思わず照れてしまう。


「……お邪魔します。」


おずおずと乗ると新車特有の匂いがして物が少なくシンプルで綺麗な車内だった。


だけど一つだけ気になること、


「あの…あたし助手席に座っちゃっていいんですか?」


助手席のドアを開けてくれた浅井さんだったけど、もし彼女がいたら彼女さんはいい気しないと思うし…

浅井さんの彼女さんって、色気が溢れてる大人な女性なんだろうな。なんて勝手に想像して、なんだか胸がズキンと痛む。


「いないよ?彼女」

「へ?」


勝手に彼女がいると思ってたあたしは思わず間抜けな声で聞き返してしまう。


「ちなみに、この車の助手席に人を乗せるの美和ちゃんが初めて。」

「…っ!」


ホッとした安堵感とあたしが初めての嬉しさでつい頬が緩む。


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