天使ラビィの不思議な珠


絵本には困った顔のラビィと怒った顔で手をだすカピィが描いてある。
カピィが珠を見せてって言っちゃったんだ。


「サユちゃん、それで? 続きは?」

「えっとね。……カピィは色が変わったことにおどろいて、ふしぎなたまを落としてしまいました」

「えっ」

「ラビィはほほえんで、いいました。『いいよ。カピィ、仕方ないもん』」

「ええええ!」


どうして?
良くないよ。大事な珠なのに。
ボクだったら泣いちゃうよ。宝物のゲーム、壊されたら我慢なんか出来ない。


「ダメダメダメ!」


一人でわあわあ騒いていると、サユちゃんが困った顔でボクをみた。


「サトルくん、うるさい」

「あ、ごめんごめん。ねぇサユちゃん、つづきよんで」

「うん」


サユちゃんはすぐまたニコニコになって、続きを読んでくれた。
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