璃琥―riko―
ふにゃっと欠伸がでる。
そして太陽を眩しそうに見つめる。
空は雲1つもなく晴れ晴れとしていた。
かなり寝たから眠気もなくすっきりした愛はポンプの上から降りて、屋上を出ようとした。その時、かすかにこっちに向かって来ている足音に愛は気付いた。
普通は気付かない分からない足音を。
愛はさっと物陰に反射神経でかくれる。
すると屋上の扉が開いた。

気配からよると二人いる……。

誰かを探しているのかキョロキョロと見渡したりしている。なにやっているのか気になり始めたその時だった。
こっちに1つの足音が向かって来た。
愛は思わず体が固まる。そして、あともう少しで気付かれそうになるその時……

「ここにもいないよ」

その足音の人――めんどくさそうにため息をつきながら、どこか柔らかく甘い声の男の人が言った。

「はぁ、まじかよ~まったく、うちの奏ちゃんはどこいったのかね~」

「そんなの知らないし…。てゆうか、だから探しているんでしょ。ほんと…めんどくさい。」

「そんなに怒らないであげなよ~」

もう一人の声は、かなり甘ったるく色気があり、女を一瞬にして虜にしそうだ。でも、どこか冷めていてそれを上手に隠している。
……早くどっかに行かないかなぁ……
なんか出ていきずらいし…こうゆー人とは関わるなって口煩くみんなに言われて来たし……
さっさと出ていってくださーい!

「俺もう…帰る」

「おいおい、だめじゃね~の。
ほら、次行こうじゃね~か」

「はぁ……わかったよ。」

そうして、二人は屋上から出ていった。
…なんだったんだ。夢にしとこう、わすれようじゃないか。
そうして、愛も屋上から出ていった。

これが“璃琥“との最初の出会いだったりする。なんて呆気ないのか。
勿論他人に興味のない愛は璃琥を知ってるだろうが知ってないだろうが関係ないから関わりたくないと無視するだろうが。
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