璃琥―riko―
「あぁ…。さっき俺が言いたかったのは」
なんて焦らす夜來。
雨來と愛はまさか…という表情をする。
そのふいんきはどことなくピリピリしている。誰かがごくりと唾を呑む。
そして、躊躇いがちに唇をひらく。
「……忘れた」
……………は?
また愛と雨來がフリーズする。
夜來はきまずそうな表情をしている。
とゆーか、まずいって顔をしている。
さっきよりは反省しているんだろうが、これはないだろう。これは!
「あ、いや、ほんと悪いって思ってるって……」
私とうーちゃんの表情をみた夜來が慌てて言う。きっと冷たい視線を送っているんだろうな、なんて他人事のように考える。
「はぁ……この人ほんとヤダ」
馬鹿すぎて……
別に頭が悪いわけでもない。逆に頭はうーちゃんぐらい…うーちゃんには敵わないけどいい。
ただ、思考がちょーとばかりね…。
多分いや、絶対に頭の大半はえろいことでうめつくされていると思う。
私のおかあさん敵リストに入っていたはずだ……。おかあさん敵リストのことは…まぁ置いといてね。
しかし…夜來は本当に残念だ。
昔は金髪だったらしいけど、今は焦げ茶色の無造作ヘアー髪と瞳で黙っていればイケメンなのにさ、口を開くと…なんというかバカなのだよ。とりあいずさ。
ちなみに、雨來は赤紫色の目に少しかかり肩ぐらいある髪型だ。大人だからこその色気がバンバン出てくる髪型だ。おかあさんがこの色気にヤラレタ女性はかなり居るんだよって前話してくれた。
女遊びはしていなかったらしいし…一途なんだなぁ
「なんだよ…」
「……別に」
夜來を見ると睨まれた。
こいつは女遊びバンバンしてるからなぁ。
いつか殺されるね。