恋の糸がほどける前に
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「……ん……」
目を開けると、見慣れない天井が視界に飛び込んできた。
あれ、と周りを見回すと、ソファーや床に寝転がったまま、無防備に寝息を立てる皆の姿。
……あ、そっか。
話に盛り上がりすぎて部屋に引き上げるタイミングを見失って、そのまま寝ちゃったんだ。
ソファーに横になっていた私は、身体を起こしてテーブルの上に置きっぱなしになっていたケータイを手に取り時間を確認した。
────夜中の2時。
窓から入り込んでくるのは、微かな月明かり。
部屋に戻ろうか迷ったけれど、結局は私はもういちどソファに横になった。
再び眠りに落ちるのを待って、目を閉じる。
……だけど。
「……」
……ああー、もう。
なんか眠れなくなっちゃったんですけど……。