始まりは恋の後始末 ~君が好きだから嘘をつく side story~
「何か頼もうか。私はジンジャーハイボールにしようかな。高坂くんは何にする?」

「じゃ~、コーラにします」

「よし!じゃあ注文しよう」

周りに座っている人達にも声をかけてみんなの希望も聞き、まとめてドリンクオーダーをした。

そしてまた彼へと視線を向ければ、わざわざ彼の席へと移動してきて嬉しそうに話しかける群ができていた。

分かっていたけど、目にしてしまえばやっぱりムクムクと負の感情が湧いてくる。

無理して笑顔を浮かべ、自分の周りの人との会話に没頭するようにした。

それからもそれぞれが会話を盛り上がらせて、あっという間に時間が経ち、部長の挨拶にてお開きとなった。

ゾロゾロと皆がお店の外に出て何となくその場で立ち話をしてると、相変わらずキャッキャと彼を囲む女子の皆さんの盛り上がりも自然と視界に入ってきてしまい、モヤモヤとした気持ちもまた湧いてしまう。

そんな中、「じゃあ、お疲れ様」と部長が右手を上げて帰っていった。

それを合図に帰ろうとする人、二次会を相談する人、雑談をする人など皆それぞれだ。

「澤田さん、この後カラオケでも行きませんか?」

「えー、素敵なカフェがあるのでそっちに行きましょうよ」

またもや甘えた可愛い声がいくつも聞こえてきた。

ああ・・やだな。

誰にも聞こえないように小さなため息を吐いて私も帰ろうと雑談をしていた人達に「じゃあ帰るね、お疲れ様」と挨拶して歩き出した時、不意に私の右手がフワッと包まれた。
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