始まりは恋の後始末 ~君が好きだから嘘をつく side story~
「咲季さん」
「何?」
「朝言っていた柚原との食事ですけど」
「あっ!そうだよ。ちょっと聞いていないんだけど!どういうことなの?」
別に彼が一緒ということが、嫌というわけではない。
ただ変に意識してしまうから、楓と山中くんの前ではまだ彼と話せる自信がないのだ。
付き合い始めたことだって言ってないし・・。
そんな私とは反対に、彼は気になどしていないように返してきた。
「健吾に来いよって声掛けられたから、行くって行っただけですよ。それに咲季さんも来るって言われたし。だめですか?」
「だめじゃないけど・・・」
そんなささやくように甘い声出されても。
そうダメではない。私も誘われている身だし。
でも・・やっぱり意識しちゃうじゃない。
「僕も咲季さんと行きたいし」
「えっ」
またそうやってサラッと甘い言葉を言う。
電話越しだから表情なんて見られないのに、ついつい隠したくなってしまう。
「一緒に行きますか?」
「だっ・・だめよ!」
「だめ?」
「うん、そう・・だめ。だって・・まだ秘密だもん・・」
言葉尻が消えていく私の耳に、彼の「フッ」と笑った声が聞こえる。
だってしょうがないじゃない・・。
『澤田くんと付き合い始めましたー!』なんて、どんなに大好きな楓にだって報告できない。恥ずかしくて死ぬ!
それに山中くんに話したら、信じているけど・・もしかしたら会社にばれるかもしれないじゃない。
そんな私のバカな戸惑いが通じたのか、穏やかな声で問いてきた。
「まだ秘密ですか?」
「うん」
「山中にも、柚原にも?」
「・・うん、もう少しだけ」
おかしいよね・・仲の良い後輩にも秘密にしたいなんて。
「何?」
「朝言っていた柚原との食事ですけど」
「あっ!そうだよ。ちょっと聞いていないんだけど!どういうことなの?」
別に彼が一緒ということが、嫌というわけではない。
ただ変に意識してしまうから、楓と山中くんの前ではまだ彼と話せる自信がないのだ。
付き合い始めたことだって言ってないし・・。
そんな私とは反対に、彼は気になどしていないように返してきた。
「健吾に来いよって声掛けられたから、行くって行っただけですよ。それに咲季さんも来るって言われたし。だめですか?」
「だめじゃないけど・・・」
そんなささやくように甘い声出されても。
そうダメではない。私も誘われている身だし。
でも・・やっぱり意識しちゃうじゃない。
「僕も咲季さんと行きたいし」
「えっ」
またそうやってサラッと甘い言葉を言う。
電話越しだから表情なんて見られないのに、ついつい隠したくなってしまう。
「一緒に行きますか?」
「だっ・・だめよ!」
「だめ?」
「うん、そう・・だめ。だって・・まだ秘密だもん・・」
言葉尻が消えていく私の耳に、彼の「フッ」と笑った声が聞こえる。
だってしょうがないじゃない・・。
『澤田くんと付き合い始めましたー!』なんて、どんなに大好きな楓にだって報告できない。恥ずかしくて死ぬ!
それに山中くんに話したら、信じているけど・・もしかしたら会社にばれるかもしれないじゃない。
そんな私のバカな戸惑いが通じたのか、穏やかな声で問いてきた。
「まだ秘密ですか?」
「うん」
「山中にも、柚原にも?」
「・・うん、もう少しだけ」
おかしいよね・・仲の良い後輩にも秘密にしたいなんて。