ラストバージン
ようやく解放される。
そんな気持ちから安堵のため息をつき、玄関のドアを開けようとした時。
「葵、待ちなさい」
居間から出て来た母に呼び止められ、抱いたばかりの安堵感が不穏なものへと変わった。
「何?」
「あなた、お見合いをしなさい」
「は?」
「お母さんの知り合いが、いくつかお見合い話を下さっているの」
「その話なら、前にも断ったでしょう」
「この間とはまた別の話よ。最近頂いた話で、お父さんも賛成しているわ」
父が本当に賛成しているのかは定かではないけれど、お見合いの話があるのは本当なのだろう。
だけど、私はため息をついて、首を横に振った。
「何度も言ってるけど、お見合いはしないから。それに、本当にその気になれば、友達の紹介とか職場とかそれなりの出会いはあるし」
その気は全くないけど、あながち嘘ではない。
色々な職業の人が集まる病院には男女問わず独身者もいるし、職場での出会いだってゼロではないから。
いい人を紹介してくれそうな友達はいないけれど、出来る限りのツテを使えばそうして出会う事も出来なくはないだろう。
ただ、私の場合はそれ以前の問題なのだ。
そんな気持ちから安堵のため息をつき、玄関のドアを開けようとした時。
「葵、待ちなさい」
居間から出て来た母に呼び止められ、抱いたばかりの安堵感が不穏なものへと変わった。
「何?」
「あなた、お見合いをしなさい」
「は?」
「お母さんの知り合いが、いくつかお見合い話を下さっているの」
「その話なら、前にも断ったでしょう」
「この間とはまた別の話よ。最近頂いた話で、お父さんも賛成しているわ」
父が本当に賛成しているのかは定かではないけれど、お見合いの話があるのは本当なのだろう。
だけど、私はため息をついて、首を横に振った。
「何度も言ってるけど、お見合いはしないから。それに、本当にその気になれば、友達の紹介とか職場とかそれなりの出会いはあるし」
その気は全くないけど、あながち嘘ではない。
色々な職業の人が集まる病院には男女問わず独身者もいるし、職場での出会いだってゼロではないから。
いい人を紹介してくれそうな友達はいないけれど、出来る限りのツテを使えばそうして出会う事も出来なくはないだろう。
ただ、私の場合はそれ以前の問題なのだ。