ラストバージン
「葵は、子どもが好きでしょう? 桃子と孝太に会えばよく面倒を見てあげているし、二人も葵にすごく懐いているじゃない?」
確かに、子どもは好き。
看護師の資格を持っていれば保育園での就職も可能だから、学生の頃はそういう道を歩む事も考えたくらいだった。
「葵が結婚に前向きじゃないのもわかっているんだけど、そういう風景を見る度にせめて子どもだけでも……って思っちゃうのよ」
結婚を前向きに考えられない今だって、子どもを欲しいと思う気持ちだけはとても強い。
もちろんこんな事は誰にも言っていないし、そもそも最初からシングルマザーを見越した結婚や出産なんて倫理的にどうかと思うけれど……。
「だから、一度だけでもお見合いしてみない?」
喧嘩になっても尚、こうしてお見合いを勧めて来る母は、どうにかして私の気持ちを結婚へと向けたいのだろう。
本心を誰にも言えない私は、どうしても頷く事は出来なかったけれど……。
「……もう少し、時間をちょうだい。今は、本当に考えられないから」
精一杯の譲歩を見せ、小さな笑みを浮かべた。
「じゃあ、三ヶ月でどう?」
すると、母は不服そうにしながらも、こちらも精一杯の譲歩だと言わんばかりにそう口にした。
確かに、子どもは好き。
看護師の資格を持っていれば保育園での就職も可能だから、学生の頃はそういう道を歩む事も考えたくらいだった。
「葵が結婚に前向きじゃないのもわかっているんだけど、そういう風景を見る度にせめて子どもだけでも……って思っちゃうのよ」
結婚を前向きに考えられない今だって、子どもを欲しいと思う気持ちだけはとても強い。
もちろんこんな事は誰にも言っていないし、そもそも最初からシングルマザーを見越した結婚や出産なんて倫理的にどうかと思うけれど……。
「だから、一度だけでもお見合いしてみない?」
喧嘩になっても尚、こうしてお見合いを勧めて来る母は、どうにかして私の気持ちを結婚へと向けたいのだろう。
本心を誰にも言えない私は、どうしても頷く事は出来なかったけれど……。
「……もう少し、時間をちょうだい。今は、本当に考えられないから」
精一杯の譲歩を見せ、小さな笑みを浮かべた。
「じゃあ、三ヶ月でどう?」
すると、母は不服そうにしながらも、こちらも精一杯の譲歩だと言わんばかりにそう口にした。