ラストバージン
「三ヶ月?」

「そうよ。三ヶ月以内に、あなたに好きな人や恋人が出来なければ、お見合いをしてみるの」

「ちょっと待ってよ! 三ヶ月なんて、そんなっ……!」

「短い?」


驚いて声を上げた私に、母は無表情で首を傾げた。


「当たり前じゃない!」

「お母さんはそうは思わないわよ。三十年間も生きて来て中々前向きにならなかったなら、いくら待っても変わらないんじゃないの?」


図星を突かれて言葉に詰まると、母はあっけらかんとした表情で続けた。


「別に、お見合いって言ったって昔みたいな堅苦しいものじゃなくて、ちょっと二人で食事でもするだけでいいのよ。いくらお母さんでも、『お見合い相手と絶対に結婚しろ』なんて言わないから」

「で、でも、仕事だってあるし……」

「あら? その気になれば、職場でも出会いがあるんじゃなかったの?」


再び言葉に詰まり、何とか言い訳を探す。


だけど……。

「一先ず、そういう事でいいわね? 三ヶ月ならちょうど今年中だし、キリもいいじゃない。お相手も、別に急いでないみたいだから」

今の母には何を言っても無駄だと感じ、深いため息をついた。


出来る事なら、数分前の自分の発言を取り消したい。

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