ラストバージン
「結木さんは、看護師さんなんですね」
「あ、はい」
プロフィールカードに気を取られていた私は、ハッとして小さな笑みを繕った。
きっちりとしたスーツ姿の男性は仕事帰りのようで、【職業】の項目には【会社員・営業】と書かれている。
女性用のプロフィールカードと違い、男性の用の物には【年収】という項目まであって、思わずそこで目が留まった。
「大変なお仕事ですよね」
「えっと……確かに大変ですけど、やり甲斐のある仕事なので……」
「カッコイイですね。僕なんて、普通のサラリーマンですから」
「そんな事……。それに、大変なのはどんな職業でも同じでしょうし……」
会話は苦手な方ではないけれど、こういう雰囲気での会話の場合はどんな風に反応すればいいのかわからなくて、しどろもどろ答えるのが精一杯。
「あ、映画鑑賞がお好きなんですか? 僕も映画はよく観るんです。と言っても、レンタル派なんですけど」
「そうなんですか」
気の効いた言葉を返せない私は、きっとつまらない人間だと思われてしまっているだろう。
左隣をチラリと見ると菜摘は笑顔で会話を弾ませていて、思わず零れそうになったため息を飲み込んだ。
「あ、はい」
プロフィールカードに気を取られていた私は、ハッとして小さな笑みを繕った。
きっちりとしたスーツ姿の男性は仕事帰りのようで、【職業】の項目には【会社員・営業】と書かれている。
女性用のプロフィールカードと違い、男性の用の物には【年収】という項目まであって、思わずそこで目が留まった。
「大変なお仕事ですよね」
「えっと……確かに大変ですけど、やり甲斐のある仕事なので……」
「カッコイイですね。僕なんて、普通のサラリーマンですから」
「そんな事……。それに、大変なのはどんな職業でも同じでしょうし……」
会話は苦手な方ではないけれど、こういう雰囲気での会話の場合はどんな風に反応すればいいのかわからなくて、しどろもどろ答えるのが精一杯。
「あ、映画鑑賞がお好きなんですか? 僕も映画はよく観るんです。と言っても、レンタル派なんですけど」
「そうなんですか」
気の効いた言葉を返せない私は、きっとつまらない人間だと思われてしまっているだろう。
左隣をチラリと見ると菜摘は笑顔で会話を弾ませていて、思わず零れそうになったため息を飲み込んだ。