ラストバージン
三分間というのは予想以上にあっという間で、特に会話が弾む事なく最初のトークタイムが終わった。


「トークタイム終了となります。女性の方はそのまま、男性の方は隣のテーブルに移動して下さい」


男性スタッフの明るい声にホッとしたのも束の間の事で、今まで菜摘と話していた男性が目の前に腰掛ける。


「では、トークを開始させて下さい!」


その直後にマイクを通した声が響き、さっきの男性から返されたばかりのプロフィールカードを目の前の男性に渡し、同じように挨拶から入った。


「あ、看護師さんなんですか」


やっぱり職業に目がいってしまうのか、最初に触れられたのはさっきの男性と全く同じ事。


「大変なお仕事ですよね。命を預かっている訳ですし」

「あ、はい。今の病棟は比較的ラクと言えばラクですけど、それでも毎日慌ただしくて……」


公務員だという男性は、市役所に勤務しているらしい。


自分からそれを話した彼はとても饒舌で、さっきの男性の時よりも会話が弾んだように思えたけれど……。

「トークタイム終了です。男性の方は、移動をお願いします」

やっぱり三分は瞬く間に過ぎていき、会話が弾み出した頃にそんな言葉が耳に届いた。

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