チャラ男とちょうちょ
「瞬、リオナちゃんと2人で話したいから外して」

どこからともなく涙香さんが現れてそう言った。
瞬くんは言われたとおり席を外してあたしと涙香さんだけになってしまった。

「何、今の」

と、ちょっと不機嫌そうな涙香さん。
瞬くんが泣き出して訳を話してくれたから慰めただけと話すと、

「そうなんだよね!瞬。俺も一緒にメシ行ったりして話聞いてるんだけどなかなかねー!でも、リオナちゃんにも励まされたみたいだし様子見るかな〜」

と涙香さんは言った。

「涙香さん、指名取れないってなんで嘘ついたんですか?」

とあたしが聞いたら

「リオナちゃんのお店に行きたいんだけど忙しくて時間ないから嘘ついた。ごめん」

としょぼんとする涙香さん。

「そうやって本当のこと、話してくればいいのに」

と返したら、

「だってお店に行くか、呼ばないとリオナちゃんは会ってくれないでしょ?」

と涙香さんは言った。
あまりにも真っ直ぐにあたしを見て言うもんだから、少しドキッとした。
< 108 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop