チャラ男とちょうちょ
ブーツを放り出すと、あたしは慌てて充電する。
不在通知が数件。
全部裕貴からだった。
あたしは急いで電話をした。
「…はい」
裕貴は少し不機嫌そうだ。
「ごめん!途中で充電切れちゃって」
「うん」
「本っっ当にごめんなさい」
「…もお、わかんねーよ」
裕貴はかすれた声でそう言った。
「…仕事だもん、しょうがないじゃん!それに、ごめんって謝ってるのに‼︎」
あたしはそれだけ言って電話を切ってしまった。
(裕貴のバカ‼︎)
だけど一番のバカはあたしだ。
あたしが裕貴の立場だったら、もっとヒドイことを言ってたかもしれない。
それなのにあたしは…。
そう考えたら、涙が出てきた。
あたしの着信音が鳴る。
裕貴からだった。
「…もしもし」
「で、会うの?オレは真奈美に会いたいんだけど」
「…あたしも裕貴に会いたい」
「じゃ、迎えに行くからそれまでに泣き止んでろよー」
泣いてるのを気付かれないように話したつもりだったのに、裕貴には全部お見通しだった。
それから、しばらくして裕貴がマンションまで来てくれてあたしたちは裕貴の家に向かった。
裕貴は、意外にも実家住まいだった。
お母さんと、おばあちゃんと、妹と、弟。
離婚して片親だったけど、お父さんとはたまに連絡を取っていると車の中で聞いた。
あたしの家も、似たようなもんだったから親近感が湧いた。
「こんな時間にお邪魔するなんて失礼じゃない?」
実家住まいだと前から分かっていれば、あたしの家でよかったのに。
「大丈夫だって!うちテキトーだから」
裕貴の家は、あたしのマンションから車で20分くらいの距離にあった。
「入って!オレの部屋階段上ってつきあたりだから」
あたしは、お邪魔します、と小声で言って靴を揃えた。
言われた通り階段を上ってつきあたりの部屋に入った。
不在通知が数件。
全部裕貴からだった。
あたしは急いで電話をした。
「…はい」
裕貴は少し不機嫌そうだ。
「ごめん!途中で充電切れちゃって」
「うん」
「本っっ当にごめんなさい」
「…もお、わかんねーよ」
裕貴はかすれた声でそう言った。
「…仕事だもん、しょうがないじゃん!それに、ごめんって謝ってるのに‼︎」
あたしはそれだけ言って電話を切ってしまった。
(裕貴のバカ‼︎)
だけど一番のバカはあたしだ。
あたしが裕貴の立場だったら、もっとヒドイことを言ってたかもしれない。
それなのにあたしは…。
そう考えたら、涙が出てきた。
あたしの着信音が鳴る。
裕貴からだった。
「…もしもし」
「で、会うの?オレは真奈美に会いたいんだけど」
「…あたしも裕貴に会いたい」
「じゃ、迎えに行くからそれまでに泣き止んでろよー」
泣いてるのを気付かれないように話したつもりだったのに、裕貴には全部お見通しだった。
それから、しばらくして裕貴がマンションまで来てくれてあたしたちは裕貴の家に向かった。
裕貴は、意外にも実家住まいだった。
お母さんと、おばあちゃんと、妹と、弟。
離婚して片親だったけど、お父さんとはたまに連絡を取っていると車の中で聞いた。
あたしの家も、似たようなもんだったから親近感が湧いた。
「こんな時間にお邪魔するなんて失礼じゃない?」
実家住まいだと前から分かっていれば、あたしの家でよかったのに。
「大丈夫だって!うちテキトーだから」
裕貴の家は、あたしのマンションから車で20分くらいの距離にあった。
「入って!オレの部屋階段上ってつきあたりだから」
あたしは、お邪魔します、と小声で言って靴を揃えた。
言われた通り階段を上ってつきあたりの部屋に入った。