黒愛−kuroai−
 


なんだ…

そんな事に怒っていたのかと、吹き出しそうになった。



そんなちっぽけな秘密、どうでもいいじゃない。

アナタに言えない大きな秘密は、他に沢山あるのにネ……



笑いそうになり慌てて俯き、表情を隠す。


ボソボソと、消え入りそうな声で弁明した。




「先輩と鈴奈さんが付き合っていた時、一度だけ話しをしました…

中学の友達が、聖女に通っているんです。

校門で待ち合わせていたら、友達と鈴奈さんが一緒に出て来て…


偶然なんです。私も驚きました。

先輩にその事を言えなかったのは、私がわざわざ会いに行ったと思われたくなくて…

隠していて、本当にごめんなさい…」





“偶然”と言われたら、怒るわけにいかない。



過去に鈴奈と会話していたことも、

聖女に通う昔の友達に、急に会いに行ったことも、

鈴奈の“イケナイ写真”を、長い黒髪の女の子が届けたことも、


全部偶然。



もちろん、パスタ屋でバッタリ会ったこともね。



怒られるような落ち度は、一つもナイヨ。





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