黒愛−kuroai−
唇を離した彼は、笑いながら言う。
「鈴奈に食ってかかった時、焦ったけど、実は嬉しくもあったんだ。
俺のために、無理して悪ぶる愛美が、スゲェ可愛かった」
「あ…あれは…私らしくないですよね…恥ずかしい…
でも、愛のためなら、私はいつでも悪女になりますよ?」
「ハハッ 大歓迎!
悪女な愛美も、愛してる」
今日は、500円パスタ屋に行けて良かった。
鈴奈に“あんな男”呼ばわりされ、やっと柊也先輩も吹っ切れたみたい。
鈴奈への心残りはゼロになり、私への愛が増している。
次に彼の部屋に行ったら、こっそりクローゼットを開けてみよう。
私が底を切り裂いたあの箱、
元カノグッズを入れた白い箱は、きっと処分してあるはず。
捨てる時に誰が底を破ったのか…
私の顔が浮かぶかも知れないけど、大丈夫。
悪女な私も、愛してくれるから…