黒愛−kuroai−
真面目に勉強すると言うことは…
大学進学希望なのだろうか?
今まで進路の話しをしたことがなかったが、柊也先輩は4月から3年生になる。
きっと大体の進路は決めているはず。
受験勉強で遊ぶ時間が減るのは嫌だな…
その程度の気持ちで、軽く聞いてみた。
「柊也先輩は、大学に進学するんですか?」
「うん」
「そうですか…春から受験生になっちゃいますね…
どこの大学ですか?S大?K大?」
口にした大学名は、地元の大学。
自宅から通える範囲の距離にある。
遠い大学は頭になかった。
この家から通う、それが当たり前だと思っていた。
それなのに……
話しながら、ノートに英単語を書いていた彼が、
シャープペンシルを置き、私を見た。
それから、少し言い難そうにこう言った。
「まだ本決まりじゃないけど、東京に出ようと思ってる。
東京のS大…
そこそこテニスが強くて、俺の学力でも、頑張れば入れそうだからさ…」