黒愛−kuroai−
東京に…出る…?
そんなこと聞いていないし、私の未来年表にも書かれていない。
言葉を失う私。
彼は済まなそうに言った。
「大学に行くと遠距離恋愛になる…
淋しい思いをさせるけど…分かって…」
私に遠距離恋愛は無理だ。
大学に行けば、浮かれた女子大生共が彼に群がるだろう。
そいつらを排除するのに新幹線で毎週通うのは、時間もお金も掛かり過ぎる。
どうしようと考え込んだ。
無言の私の手を握り、
「大丈夫だよ」
と彼は身勝手な事を言う。
東京に出たい彼、
遠距離恋愛が無理な私。
両者の願いを叶えるには…
一つしか方法がない。
閃いた考えを、笑顔で話した。
「いいこと思い付きました!
離れなくても大丈夫な方法!
来年、先輩が大学生になったら、私も東京に行きます!」
「…え?
愛美はまだ1年高校が…」
「辞めます!中退して東京で先輩と一緒の部屋で暮らします。
アルバイトして、家賃は半分払いますから」