黒愛−kuroai−
 


「由梨!うわ〜久しぶり!
何か可愛くなってる!ビックリしちゃった!」



褒められるとすぐに耳まで真っ赤になる。

その素直な反応は変わっていない。

扱いやすいイイ子だネ。





駅前のマックに移動した。

2階席は色んな制服の高校生で賑わっていた。



空いている二人用テーブルに座り、ポテトのLサイズを分け、コーラで喉を潤した。




由梨には今の女子高が合っているみたい。

真面目な子が多く、友達も沢山できたと言う。

からかう男子もいなくて、中学時代より楽しく過ごしているようだ。




お互いの学校生活を軽く話してから、由梨に聞いた。



「ねぇ、もしかして彼氏出来た?
その見た目の変貌振りは、男絡みと見た」



元ダサ子に先に彼氏を作られたら、何か嫌。

でも、そんな気持ちはおくびにも出さず、笑いながら聞いた。



由梨は真っ赤な顔をして、両手を顔の前で振り否定する。



< 43 / 276 >

この作品をシェア

pagetop