黒愛−kuroai−
「由梨!うわ〜久しぶり!
何か可愛くなってる!ビックリしちゃった!」
褒められるとすぐに耳まで真っ赤になる。
その素直な反応は変わっていない。
扱いやすいイイ子だネ。
駅前のマックに移動した。
2階席は色んな制服の高校生で賑わっていた。
空いている二人用テーブルに座り、ポテトのLサイズを分け、コーラで喉を潤した。
由梨には今の女子高が合っているみたい。
真面目な子が多く、友達も沢山できたと言う。
からかう男子もいなくて、中学時代より楽しく過ごしているようだ。
お互いの学校生活を軽く話してから、由梨に聞いた。
「ねぇ、もしかして彼氏出来た?
その見た目の変貌振りは、男絡みと見た」
元ダサ子に先に彼氏を作られたら、何か嫌。
でも、そんな気持ちはおくびにも出さず、笑いながら聞いた。
由梨は真っ赤な顔をして、両手を顔の前で振り否定する。