深愛なるキミ
それなのに、今の私はヒロムくんに会いたい。私、ヒロムくんのことが気になるんだ。



待ち合わせ場所の駅に着くとヒロムくんはもう着いていて壁に凭れて俯いていた。


相変わらずまたヒロムくんを見て笑っている人がいる。彼は何もしてない。


今すぐにでも走って行きたい気持ちを抑えながらいつもより少しだけ足を早めた。


「遅くなってごめんね」



私が急いだから少し左足を引きずりがちに歩いてくる姿を見たのか彼はポケットから携帯を取り出してメールを打ち始めた。
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