深愛なるキミ
【急がなくても大丈夫だから。無理しないで。ひなたちゃんが僕に合わせてくれたように僕もひなたちゃんに合わせるから】



ひなたに合わせるよ。
彼の言葉が頭を過った。



優志くんもそう言って私に合わせてくれた。


私の歩幅じゃ優志くんは疲れてしまうのに、小さな私の手を握って『ひなたの隣は俺のもの』なんて笑ってくれた。



何でこんなこと思い出したんだろ。忘れなきゃ。

私はその思いを払拭するようにヒロムくんに笑いかけた。



「ありがとう、ヒロムくん」
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