ルナアガス
「それで、ルナアガスとは、一体どのようなガスなんですか? 人類の健康に役立つとか温暖化対策に役立つとか……」

「ルナアガスの正体か……。ゆったら、怒るもん」
博士は言うのをためらった。

「博士ー、怒らないから教えてけさい」

「えー、いやん。絶対、怒るもん」
博士はかわいく拒否した。

「絶対、絶対、怒りませんから」

「誰にも言わない? そして、本当に怒らないでね」

「はい。私だけにルナアガスの正体を教えてけさい」

「わかった。この私が発明したルナアガスは今では世界中の人間が吸い込んでいる。毎日、大量に排出しているからな」

「はい。人体にどのような影響を与えるのでしょうか?」

「うむ。男性には全く影響はない」

「女性にどのような影響が?」

「えー、絶対怒るもん。やっぱり言えない」

「大丈夫ですって。絶対に怒りませんから」

「わかった。冷静に聞いてくれたまえ」
博士はついにルナアガスの正体を助手の田中に告げることを決めた。

< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop