脱・不幸恋愛体質
―――バタン
従業員の休憩室のドアを乱暴に閉めると、蛇口から勢い良く水を出した。
「手貸せ」
無言で頷いた私は、素直に手をだす。
「うっ…痛いっ」
水に触れた瞬間、敏感になっていた肌は痛みを発し、私は顔を歪ませた。
「我慢しろ」
乱暴な口調の割に、優しく処置してくれている蓮。
「ちょっと待ってな」
そう言うと、連は出て行ってしまった。
水が冷たくて、次第に手のひらは感覚を失って行く。
―――どこに行っちゃったんだろ?
居たらムカつくのに、居なくなったら居なくなったで不安になる。
変なの。
もしかして、結構頼っちゃったりしてるのかな?
いやいや、あんなイヤミばっかり言われてるんだから、そんな筈はない。
ブルブルと首を横に振っていると
「お前、何やってんの?」
いつの間にか帰ってきた蓮が、呆れ顔で私を見ていた。
「とうとう、頭までおかしくなったか?」
そう言うと額にピタッと手をあてがった。
「なっ!!!バカ蓮!!!」
ちょっとでも心を許した私がバカでした。
そんな蓮は、マイペースに排水口に栓をすると、持って来た氷を洗面台に溜まっていく水の中に全て入れた。