脱・不幸恋愛体質
何だったんだろう?
私は定位置であるイカ焼きの場所に行くと、蓮は焼きそばとイカを同時に焼いていた。
なんだ、私必要ないんじゃん。
そう思ったものの、店内に戻る勇気など全く無くて、さり気なく蓮の隣に佇んでいた。
「大丈夫なのか?」
「あっ…う、うん。さっきはありがとう」
「別に」
相変わらずぶっきらぼうな話し方。
でも、今はそれが心地良かったりする。
「ごめん、変わるよ」
そう言って、怪我をしていない方の手で蓮の手からトングを貰おうとした。
「お前、何か有ったのか?」
不意に確信をつく質問に動揺丸出しの私。
「!!!えっ、別に…な、なんで?」
冷静さを保とうとするものの、実はさっきのキスの感覚がまだ残ってたりする。
微かに震える唇を、蓮が見過ごす訳が無かった。
「お前が分かりやすいから」
「なっ…!!!」
「イカひっくり返しとけ」
蓮はその言葉を最後に、再び無言になってしまった。
もう、なんなのよ?!
からかうだけからかって、放置していく性格の悪さったら無い。
仕事に専念してやる!!!