みあげればソラ
勝と俺は、由貴のイメチェンで盛り上がっていた。
正直、こいつがこんなに美人だと思ったことなかったし。
ほんと女は身に付けるものでガラリと変わる。
まぁ、化け物だ。
「ユキがジョーんとこいるって聞いて、俺、驚いた」
と、唐突に雄一が話に割り込んできた。
こいつ、今までずっと俺に探りを入れようと考えていやがったな。
「雄一、安心しろ。
家にはミアと、もう一人サキっていう高校生も下宿してるし」
真面目な雄一のことだ、こんないい加減な俺の家に由貴が下宿してるなんて聞いたら、気がきじゃないだろうさ。
「それに、こいつは今はちょっと化けて女っぽくなってるが、多分お前が付き合ってたころと全然変わってないぞ」
実際、ついさっきまでは、高校生だと言っても通用するくらい洒落っ気も化粧っ気もない由貴だったのだ。
「そうよぉ~
化けたのは、ついさっきだから。
あたしの手にかかればどんな女も光るのよぉ~」
「ユキは昔から、綺麗だったし……」
勝の一言が気に入らなかったのか、雄一はすこし不機嫌そうにそう言った。
頬が少し赤く染まっている。
「だよなぁ~、雄一は昔っからぞっこんだったしなぁ~」
また失言だ、と思ったが時すでに遅し。
俺は誤魔化すように雄一の肩を大げさに叩いた。