私を変えた彼のお話

夢を見た。

私は川の淵に立っててずっと水面を眺めてる。
水面から「お母さん、お母さん」という声が聞こえた。

「私はお母さんじゃないの、違うのよ」

そう呟いたけれど声が止むことはなく、むしろ大きくなっていく。
そのうち後ろから、ハァハァという吐息を感じるようになってきた。

逃げようとするのに足は動かない。
水面からの声と後ろからの吐息が頭の中で響く、響く。

あの夜が走馬灯のように一気に目の前に溢れ出す。

怖くて飛び起きた。

< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop