[B L]だからスキって言ったのに〒続編
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「ハァ、ハァッ…ッハ、つ、いた…」
天野のマンションの、扉の前。
異常に速い心臓の音も、今だけは遠く感じる。
ふるえる指先で、ゆっくりとインターフォンを押した。
ピーンポーン…
[…。]
ガチャッ
しばらくして扉が開く。
「あのさ、いい加減やめてくんねぇ?」
最初に浴びたのは、そんな毒だった。
それでも俺には、まだ希望がある。
「天野、俺弓道の大会で優勝したんだ…!
それで、今回のテストも、二位で…!
俺、すごいがんばったんだ…!!
天野に、信じてほしくて…すっごい頑張って…
天野に釣り合う人間に、なりたかったから…
ルイにも負けないように、天野をもう一度振り向かせてみせるって…
自分に誓ったから…
もう一度信じてもらえる俺になるって、自分に言い聞かせて…
天野の隣にいても、胸張れるように…
頑張って頑張って、ここまできたんだ…!!
なぁ、天野。
俺はこれ以上なにをがんばればいい?
どうしたら信じてもらえる?
それくらい、もう尽くす手がないくらい努力したんだ…。
お願いだから、戻って来てくれ…。
俺を、信じてくれ…!!」
ハァ、ハァと続く息切れは、もはや全速力で走ったからでも何でもなく。
ただの、発作だった。
それでも俺は、最後まで言い切った。
天野の言葉を待つ。
ハァ、ハァ
ハァ、ハァ
ハァ、ハァ
ハァ、ハァ…