彼女の恋~小指の赤い糸~
何を訊いても話してくれず「言いたくない」と応える彼女に苛立ちを覚えた。
「中島さんが何も言ってくれないなら直接、電話をして訊いてみようか?
焦った顔で俺を見た。
「これが最後だ。
話してくれないなら課長に電話をする。されたくないなら……。
全部、話してほしい」
追いつめるように迫る。
ここまで来たら多少強引でも彼女の口を開かせて全てを聞きたい。
彼女は諦めたように目を閉じてから真っ直ぐに俺を見た。
「主任が好き……なんです」
予期してなかった言葉に一瞬頭が真っ白になった。
好き……。
中島さんが……俺を!?
「…………」
驚きで言葉が出ない。
本当に中島さんが俺を……?
だけど課長は?
いったい、どうなってるんだ?