彼女の恋~小指の赤い糸~


「あのさ……今、言った事は本当?
中島さんが好きなのは課長じゃなかった?

だから付き合ってるんだろう。
さっぱり分かんないんだけど」


「本当に主任が好きなんです。
課長とは……彼と話していると楽しくて……これで前に進めるって思ったけど間違いに気付いて。

でも……気付くのが遅かったんです主任には避けられてたし課長にも嘘を吐けなくて傷付けてしまったんです」


「今言った事は本当の事だよな。
もし何かを隠そうと嘘をついてるなら許さない」


「嘘じゃないですっ。
全部……本当の事で私は本当に主任が……」


そう言って真っ直ぐな瞳を向けてくる。
それを見れば中島さんは嘘は言ってないって分かる。


ずっと待ち望んでいた事が現実になった。
中島さんの本当の気持ちを知って内心は嬉しくて仕方ない。
だけど浮かれる気分には、なれないな。


話しを聞く限りでは課長とはまだ別れていないんだろう。



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