彼女の恋~小指の赤い糸~



「嘘じゃないっ。
ちゃんと信じてるよ」


「主任と一緒にいると安心出来て凄く幸せな気持ちになれるのに……。
課長の所に戻るつもりなんかないのに……」


「ごめん。
違うんだっ、まだ帰ってほしくなかった。

今日はこのまま中島さんと一緒に居たかった。
俺の我が儘だよ。


昨日言ってくれた中島さんの気持ちは疑ってないよ。
だから、いいかげんこっちを見てくれよ。なぁー、中島さん?……紗季?



主任から聞こえた『さき』って語音が甘く耳に響いて……。
心臓がドキンッと跳ねた。
そんな風に呼ばないでよぉ。


躊躇いながら顔を上げたら……。


「やっとこっちを見た」


主任はフッと笑って私の頬に残る涙をそっと拭った。



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