彼女の恋~小指の赤い糸~



否定の言葉を言い終わった後に、ピリピリとした空気に変わったような気がした。



「……俺には言いたくないんだ……」



何かのスイッチが入ってしまったような……。
主任の雰囲気がいつもと変わってしまった事に気付き、凄くまずい事になったと背中にイヤな汗が出てくる。


ゆっくりと近づいて来る主任に追いつめられて、自然と後ろに下がり壁に当たった。


両腕が壁について、そこから動けなくなった。
驚いて顔を見上げたら、薄く笑う主任がいる。


「さっきのもう一度言ってくれないかな?」


「えっ?」


「主任には、ってやつ?」



「……主任には言いた……んんっ……なっ……」


塞がれた唇は直ぐに解放された、でも……。



「良く聞こえなかった。
もう一度、言って?」


もう、何なのよ。
訳が分からなくなり、また顔を見上げると意地の悪い笑みを浮かべてじっと私を見ている。



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