有界閉領域
自分で言い出した事とは言え、レイは、ここぞとばかりにわがままばかり言って真由をこき使う。











傷の消毒の時も、傷を見てビビっている真由の手の震えを見て『世話するんだろう?』と冷たく言われる始末。












真由の持ってきたケーキも、自分では食べず真由がスプーンを口に持っていき食べさせた。











それでも、真由はレイに償いが出来て嬉しかった。











夕飯の時間になり、そろそろ帰ろうと思った。










でも「一人じゃ食べれない」と言われてしまえば従うしかなく。











夕飯も一緒に食べることになった。










広いダイニングには、美味しそうな料理が3人分。











両親は、帰国してすぐに仕事で帰るのが遅いらしい。










リョウは出かけているとお手伝いさんに言われ、内心ホッとした。










大きなものは食べやすいように、小さくしレイの口に運ぼうとしたが、それは自分で食べるらしく、真由にも冷めないうちに食べるように勧めてくれた。









   もしかして・・・一人で食べるのが嫌だったとか?









思わず探るようにレイを見たが、冷たい視線を真由に向けるだけで、
   








   いや、考えすぎだと自分に言い聞かす。










気がついた料理は、極力食べやすいように小さくして、レイの皿に乗せた。










「おい、何やってんだ?」









レイと真由が肩を並べて食事している姿を見て、リョウの冷たい声が飛んできた。











料理に気を取られていて、リョウがダイニングに入ってきたのに気がつかなかった。










「何って、ご飯食べてるだけだろう?」










レイはリョウの方を見ようともせず、そう答える。











「お、おかえり。私がレイの傷が治るまで看病させてって頼んだの。それでご飯食べる手伝いしている訳で・・・」











嫌な雰囲気が部屋中に漂う。








「お茶」









レイは、会話など一切無視してお構いなしに真由にそう言う。










真由は慌ててお茶をレイに差し出す。









「おい、レイ!」











「何だよ!真由が世話したいって言ってるからしてもらっているだけだろう?突っ立てないで、さっさと食えよ」












   あぁ~ぁ。兄弟喧嘩だよ・・・どうしよう・・・









リョウはムッとした顔で、真由の前に座り食べ始めた。









「そっちの肉、もっと小さく」









「ケチャップかけて、スープが熱い、冷まして」











レイの注文がリョウが来てから増えた気がしたが、それでもレイなりの『もう怒ってないよ』のサインのような気がして嬉しかった。












時折、リョウの呆れたような視線が飛んできたが、あまり気にならない。












それに、外見は大人だけどレイの中身はやっぱり中学生で、幼い。











精一杯、反抗しているようで、何を言われてもまるで弟に言われているようで、気にならなかった。











    私のレイへの気持ちは、弟のようで好きって気持ちだったと今更気付いてしまった。









< 56 / 57 >

この作品をシェア

pagetop