この愛に抱かれて
翌日、響子の姿は一番列車の中にあった。


夜は一睡も出来なかった。


明け方までバーで酒を飲み、何も持たずに旅にでた。


すべてに疲れ果て、何もかもが嫌になっていた。


最初に向かったのは静岡の墓地だった。


春川の家とは かなり離れた場所にあったから、彼らに会うことも無かった。



きっと今頃は、みんな幸せに暮らしていることだろう。



そんなことを思いながら、響子はまた汽車に乗った。



名古屋を抜け、京都を回って福井へ向かった。



福井は茂と恵美子が新婚旅行で訪れた場所だった。
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