僕と君と時々サッカー

「そういえばお前彼女いたじゃん?
いまもいんの?w」

秀人が聞いて来た唐突な言葉。

「あ、真帆のこと?
とっくのとーに別れたよ」

「だよなー
あの子、サッカーやってる男ちょー狙ってるからねw」

やっぱり。

城西でも有名なんだ。

「秀人は?いないの?」

「俺はいるよ!
城西のための女の子!バスケ部なんだけどね。可愛いよ」

とたんににやけ始める秀人。

秀人も恋愛してんのかー。

そう思っていた。

「お前は?」

そう尋ねてきたときに一か八か杏花ちゃんが城西でどんな感じなのか聞いてみたくなった。

俺は、なんだかんだ長い間LINEをしているけど
彼女の本質を知らない。
恋愛の話になったことはないからもしかしたら他に好きな人いるのかもしれない。

とにかく秀人に聞いてみようと思った。

「俺さー城西の子とLINEしてんだよね」

俺が話したとき秀人は驚いたような顔をしていた。

「え、がち?うちの学校?」

秀人の驚きは止まらない。

「好き、なんだよね(笑)」

なんて照れながらいう俺に秀人は
にやっと笑い協力してやるから誰なんだよ。
っと聞いてきた。

俺は恥ずかしながら

「椎名杏花って子」

って言うと秀人は更に驚いた顔をしていた。

「あ!まじ?椎名さん!?
あのちょー可愛い子か!」

俺はやっぱりなーっと思った。

この調子だと城西でも人気なパターン

「彼氏いんの?」

と俺が聞く。

「いや、いない。絶対。
元々男に興味がない子だもん。
俺の彼女が仲良いんだよ!
すっげーモテるのにすっげー男に興味ないのな(笑)
でも最近は気になる人いるんだ的な話は聞いたかな」

「え、やっぱいるんだあ」

俺は落胆した。。

俺の恋は終わりだろうか。

そう思っていた。

「いや、一つ言っていい?
あの子は多分お前以外の男と連絡なんかとってねーよ。
椎名さんの気になる人って爽馬じゃねーの?」

そう言われたけれど

どうも自信がつかない。

「そーやって期待されて裏切られたときの俺を想像するとツライじゃん」

そーいうと秀人は

「爽馬らしーな♪」

と言って笑った。

「ま、プラスに考えな♪」

そー言うとそろそろかえっかな〜なんて立ち上がり俺らは家に向かった。

歩いている途中、もしもそうなら。

って考えていたが

恋愛ネガティブな俺は
どうもプラスに考えることができなかった。

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