さみしがりやのホットミルク
「家のせいですきな女の子のことを諦めなきゃいけないなんて。そんな家、クソ喰らえだわ」

「姐さん、口悪いっす」



伊月の横やりに、うるさいわね、とつぶやいて。

再び母さんが、まっすぐに、俺を見つめた。



「ねぇ、晴臣。……あの子は、待っててくれてるわよ」

「……ッ、」



あなたは、どうしたい?


その言葉を聞いて俺は、手元のパソコンに視線を落とした。

画面の中には、相変わらず泣きじゃくっている佳柄と、それをしどろもどろでなだめる組員たちの姿。

思わずふっと、笑みを浮かべて。今度は俺が強い眼差しを、母さんに向ける。



「……ずっと、守りたいと思ってたんだ。俺が、この子の笑顔を守りたいって」

「……そう。じゃあ、」



そこで母さんは、ぐいっと俺のえりもとを引き寄せた。

そして耳元で、イタズラっぽく、ささやく。
< 132 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop