鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
バンっと机を叩く音が響く。誰もこの二人の攻防戦には入れず、固唾を呑んで見守るだけ。でもその音に課長がキレたのが分かった。



「誰に向かってそんな口を利いている?肩書きもないくせに『課長』にそんな口を利くなんて、それなりの覚悟ができているんだろうな?それと佐伯の良さは俺がちゃんと分かっている。お前なんかよりもずっとな。俺の可愛い部下を侮辱したんだ。このことはお前の上にもきっちり報告させてもらう。分かったのならさっさと出て行け」




眉を歪めくっと顰め顔をした営業マンは結局何も言い返すことが出来ず、黙って出て行った。パチパチと鳴り響く拍手。「課長、かっこいい、男前」の声が響く中、ちょっと来いと合図され、私は課長の後をついて行った。



「なんだあいつ?絶対上に報告してやる」



好きなやつを選べとリフレッシュルームに連れられて自動販売機の前で選んでいるといつの間にか飲み干したコーヒーのカップをぐしゃと課長は握り潰した。
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