恋しくて、哀しくて
お互いの愛を確かめ合った後、謙一さんは私の隣ですぅすぅと気持ち良さそうに寝息をたてた。



これは、付き合っている時からそうだった。愛を確かめ合うと安心するのか、疲れるのか、すぐに眠ってしまうのだ。



こうして私は、いつも取り残された気分になった。愛し合う時間は好きだけれど、終わったとたん虚しさに襲われるから嫌だった。



でも今さらそんなこと…謙一さんにも、他の誰かにも話せなかった。



謙一さんの寝息を聞きながら、ぼんやりと天井を眺めていると、暗がりにグリーンのランプが点滅した。



携帯の、メール受信を知らせるランプだ。


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