恋しくて、哀しくて
結婚生活7年目、交際期間を含むと17年目の2人だったが、それなりにお互い愛情はあった。



夜の夫婦生活は、月2~3回くらい。さすがに手を繋いだり、『いってらっしゃい』のキスは無くなったけれど、仲は良いほうだと思う。



「………あっ」



私は、アンアンと喘ぎ声をあげるような女ではない。感じていても素直に『気持ち良い』とも言えず、時々、吐息を漏らす程度であった。



「美咲、ココ、気持ち良いんだろ?」



18から付き合い、私のすべてを知っている謙一さんにはかなわない…。目を閉じてコクコクと頷く。



「身体は反応してるよ?気持ち良いなら素直に認めなよ」



そう言って意地悪な笑みを浮かべる謙一さんと、甘い口づけをする…。頭の中が真っ白になり、やがて夢のような世界へと滑り落ちてゆく………。


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