恋しくて、哀しくて
「日曜日、誕生日やったんやろ?何か欲しいものある?」



平日のランチタイム。圭太くんが親子丼を食べながら、私に箸を向けた。


「…圭太くん…」



「ん?何?」



「だから…圭太くん」



頬を赤らめる私に、圭太くんはモゴモゴと言った。



「…また後で…」



それから、なんとなく無言になり、親子丼の残りを食べると、急いで店を後にした。



「僕なんかで良かったら…いっぱいあげるから」


耳元で囁かれ、体が熱くなった。



潮時…なんて思っていたけれど、当分、離れることはできない…。



やっぱり…
圭太くんが好き。



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