恋しくて、哀しくて
ランチを済ませて店を出ると「2人っきりで話そう」と、私をホテルに連れて行った。



ベッドに並んで腰をかけると「話を聞かせてほしい」と言った。



「急に、転勤が決まったの。今月末には札幌に行く…」



残された時間は、あと数日しかなかった。



「ほな、会えるのは今度の休みが…最後か…」



「いやっ!」



私は、圭太くんにすがりついて泣いた。



「私…圭太くんと離れたくない!ここにいたい」


「美咲さん…気持ちは嬉しいけど…。旦那さんはともかく、子どもが可愛そうや…」



冷静に言う圭太くんに苛立った。



「圭太くんは、哀しくないの!?」



そう言って、圭太くんの目を見た。彼の目は、潤んで今にも涙がこぼれそうだった。



「あかん。こらえきれん…」



そう呟くと同時に、綺麗な目から、ポロポロと涙がこぼれた。



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