恋しくて、哀しくて
そして、さよならする日がきた。



2人で食べる最後のランチは、少し奮発して、お寿司にした。



「美味しいね」



2人で笑いあって、美味しいお寿司とおしゃべりを楽しんだ後は、いつものように愛を確かめる。


きしむベッドの上で、強く抱きしめ合う。



『離れたくない』



その言葉を飲みこみ、何度も『愛してる』と呟いた。



「美咲さん」



甘い口づけの後で、圭太くんが切り出した。



「僕の最初で最後の…ささやかな願いを叶えてくれへんかな?」



コクンと頷いた私は、圭太くんの願いを聞き入れて、甘く、とろける体になった。



そして、2人は結ばれた。つかの間の夢と気付いていても、幸せだった。


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